お父さんは、目を細めて眉間にシワを寄せた。


「まだ言うか。




もう、終わった事だ」





私は、お父さんの言っている事と表情と口調に違和感を感じた。



「終わった事だ……?」



風生は信じられないと言った様に目を見開いてワナワナと怒りで震える。





「てめぇ、お袋の事何だと思ってやがった‼」





風生の怒鳴り声が部屋に木霊する。



私は、ジッとお父さんに目を向けて居た。


「てめぇが死ねば良かったじゃねぇか…『風生‼』



口は出さないと決めて居たけど、思わず口に出てしまった。


風生はハッとして、私を見て苦しげに顔を歪めた。



「…ごめん」





風生のお父さんは、不意に私を見てフッと悲しげに笑った。




「そこのお嬢さんは何か用かな?」



口調が柔らかくなったのを感じながら、口を開いた。





『馬鹿じゃないんですか、2人とも』





私の言葉に2人とも目を見開いて私を見た。