「俺の親父は、仕事一筋の奴でさ。
お袋の事も、俺の事も何もかまわなかった。
それでも、たまに帰って来て飯を食っていく。
すぐ出てくけどな。
でも、お袋も何でか親父好きでさ。
何でか聞いたら、何でも。ってよ。
バカ見たいなお袋だったけど、好きだったよ。
……親父よりは。
俺の母親さ、病弱でよく倒れたり入院したり、大変な人だった。
でも、メンタルだけは強くて、いつも前を向いていた。
でも、
いつもより思い発作が起きた。」
そこで一旦言葉を切って息を吐く風生。
目には怒りしか浮かんでいなくて、憎しみの塊だった。

