楼愛が扉を開ける。



「でも、それで琉羽が傷ついたらどーすんだよ!?」



「んなの解るかよ‼」



珍しく怒鳴り声を上げ合う2人。



その剣幕にビクッと体は反応する。




……あいつらとは違うのに。




私は無意識に楼愛の服を強く掴んでいた。




「でも、後悔すんのも、お前なんだぞ!?」


「んなの、知るかよ‼」




風生は眉間にシワを寄せて、怒鳴り散らす。



「でも、あの人の命令だぞ‼」



いつもの優しい笑みを浮かべてる遊優じゃない。




私は限界で涙が出て来た。




楼愛は、さっきまでの話の内容で一通り理解したのか、眉間にシワを寄せ、口を大きく開けた。





「てめぇら、一回頭冷やせ‼」



楼愛が大声で叫ぶけど、何故か怖くわ無かった。





「……楼愛、琉羽……………」



遊優は目を見開いて罰の悪そうな顔をした。



「……ごめん」


誰にともなくそう呟いて、私達の脇を通り過ぎて行った。



風生は、無言でソファに座り込む。




「……はー…



琉羽、あとは任せた」



楼愛はそう言って、私の服を掴んでいた手をそっと離して部屋を出て行った。




きっと、遊優の所に行ったんだろう。



私は風生の隣にそっと座った。