「何か飲む?」


『……いぃ…』


空祐は片手にミネラルウオーターを持って私の座ったソファの隣に腰を下ろした。





「で、なんかあった?」


『…………』



「琉羽?」



空祐は目を向けて来る。



私を少し闇の陰が差し込んだ瞳が心配する様に見る。



『……人の、心配してる場合じゃないでしょ…』


そう言うと、空祐は目を見開いた。


けど、すぐに険しい顔になって眉間にシワを寄せた。



「誰から聞いたの?」



『誰にも聞いてないよ』



そう言うと、空祐はまた目を見開いた。


すると、クスッと悲しそうに笑う。



「……何でもお見通しってか…」



空祐はソファに凭れながらミネラルウオーターを飲んだ。