「前預けたやつ」
「あぁ、もう出来てるよ。
ちょっと待ってて」
その人はふらりとまた奥に入って行く。
………何か、フラフラしてる。
こっちが心配になる様な歩き方をするから少しハラハラする。
『………何か、危なっかしい』
「あの人はそういう人だ。
でも、ちゃんと筋は通ってる」
目を細めながら微笑む様に顔を緩めながらあの人を語る風生は、いつも以上に優しく見えた。
「はい、前の」
またフラフラと戻って来た音緒と呼ばれた人。
その人の手には小さな袋がのっていた。
「まぁ、この子何だろ?」
「そうしかありえねぇ」
「皆は?」
「納得済み」
「え?マジで?涼雨も?」
「あぁ。」
よく解らない話を2人でしながらその包みを確認する風生。
「………よし、んじゃいくぞ」
風生は私の手をまた引っ張って外に出る。
「まーたおーいでー♪」
語尾に音符がつく様に最後に宣伝してきた。
でも、何だろう。
私は、儚く笑う音緒さんが、気になってしょうがなかった。

