SOWRDS

少し心細いのを我慢してマルクスは荒れた山道を駆けていた。

手掛かりは砂利道にうっすらと残されている鹿の足跡のみ。

マルクスは今年で十五歳になり、周囲からはやっと大人と認識される年頃だ。

そんなマルクスが駆けていた足を止め、近くの茂みに隠れた。

追っていた獲物を発見したのだ。

月明かりに照らされたその鹿は見事な毛並であった。

食用にしようと決めていたマルクスでさえ、毛皮にしないのは惜しいと思った程だ。