夢見るゾンビ


赤松先輩が、私に詰め寄る。

「何言ってんの?あんたがやったに決まってるでしょ!」

「違います、やってません」

「じゃあ、あの3人が言ったことは何だって言うのよ!?」

・・・嘘だ、とは、やっぱり言いたくなかった。

「何か違うものを持っていたのを、勘違いした・・・のかな?」

「何をやかんと見間違うのよ!しかも3人とも!」

「・・・キラキラ、ラメラメのバッグとか」

もちろん、部活中にそんなものを持った記憶もないけれど。

「おい、赤松」

低い、力強い声がした。部長だ。

「本人が否定してる限り、なんの反省にもならんだろ」

部長は私の前に来た。

大柄な部長が私を見下ろす姿は、まるで大人と子どもだ。

思わず、足が震えた。

怖いけど、私も部長の目を見た。

私は間違ってない。堂々としていないと、怪しまれるだけだ。

「・・・森永、お前はやってないのか」

「はい、やってません」

部長は赤松先輩のほうに目をやる。

「赤松。マネージャー全員、ここに連れて来い」

その後、私たちは全員、「連帯責任」という名のもとに部長に平手打ちを浴びた。