うーん・・・。
あ、出なくて困ってるとかじゃないよ?
トイレの個室の白壁を見ていると、色々なことが頭に浮かんできて、つい考え込んでしまう。
・・・颯太くんとのことは、由奈たちには秘密にしないといけないんだよね。
でも颯太くんに会ったらどんな顔をしたらいいんだろう?
私、嘘つくの苦手だからすぐ顔に出ちゃいそうだな・・・
・・・それならそれでも、いっか。
だっていつかは、由奈に言わなきゃならないだろうし。
由奈は、富士見学園に来て最初にできた友達なのだ。
隠し事は、できるだけしたくない。
もし私たちがこのままうまく行って、結婚することになったら、やっぱり結婚式のスピーチは由奈にしてもらいたいし・・・。
「はあ?!百年早いし!!」
突然、トイレの外から激しい突っ込みが入って私は我に帰った。



