思わず、颯太くんを見た。
視線に気づいたのか、颯太くんもちらりとこちらを振り返る。
そして、「やっと気づいたのか」という感じで微笑んだ。
私は笑い返す余裕なんかない。
これって・・・
これって、デートのお誘いってこと?
さっきの颯太くんの笑顔が、「そうだよ」と言っていた。
ヒャー!!どうしよう、私!
顔がどんどん、暑くなっていくのが分かる。
由奈に申し訳ない、けど・・・。
嬉しいものは、嬉しい!
行きます、デート!!
「はーい!」
私は、思わず叫んでいた。
「なんだ、また森永か。じゃあ森永、答えてみなさい」
また及川先生に当てられたけど、今の私には怖いものなんて何もない!
「老人が、自分が食べようとしていたきゅうりを、河童に分けてくれたからです!」
「そのとおり。森永、今日は冴えてるねぇ」
はーい!ばんび、冴えてまーす!!



