「はい、じゃぁ森永」
突然、及川先生の声がして、私ははっと目が覚めた。
・・・あれ?雨乞いは?
私は一瞬にして、現実に引き戻された。
ここは教室。
由奈は向こうでノートを取っている(振りをして、友達に手紙を書いているはず)。
恵梨も真面目な顔つきで教科書を読んでいるし、竹内さんは・・・
ちゃんと、服を着ている。
・・・夢だった。
あぁ、良かった・・・
「森永、答えを」
はい?答え?
夢から帰国したばかりの私は状況をつかめない。
今は5時間目、及川先生の国語の授業。
そして、黒板には右側に「老人と河童」と書かれている。
そういえば、教科書にそんなお話が載ってたっけ。
で、私は今夢の中で「はーい!」と叫んで目が覚めて・・・
及川先生が、「はい、森永」と私を当てて・・・
ギャー!!!どうしよう?!
質問を全く聞いていないのに挙手して当てられたんだ!



