私は、ぶーちゃんというあだ名の由来―決してある動物に似てるからとかじゃなく、名前からとったのだということ―を一生懸命説明し、なんとかその場を丸く納めた。
話はその後、ガールズトークらしく違う話題に脱線し、その場は事なきを得た。
よかった…
私も外ズックに履き替えて、外に出る。
昇降口から外に出たところで、竹内さん(斜め後ろの席の人)とすれ違った。
竹内さんはいつも、お昼時間になると教室から出ていき、しばらく帰ってこない。
他のクラスに仲のよい友達でもいるのかな?
そう思ったこともあったけれど、いつも無表情の竹内さんが友達とダベっているところがどうも想像できない。
かといって、「ねぇねぇ、竹内ちゃんってお昼どこで何してるの?」なんて聞いたところで、あのおっかないクールな目つきで
「秘密です」
と一蹴されるのがオチだろう。
そう思った私は、竹内さんのことをあまり気にしないことにしていた。



