夢見るゾンビ


一瞬、ベースを目指して駆ける青木くんが頭をよぎる。

そんな私の心を見透かしたように、ゆなちゃんが

「ねぇ、颯太くんとかはどう?」

とたたみかけてきた。

え、ゆなちゃんは青木くんじゃないの?

ゆなちゃんの真意が分からなくて、私は

「いや、私はそういうの苦手だから・・・」

そう答えるのがやっとだ。

「私は、みんなの恋路を応援することにするよ」

ご隠居老人ぽい口調でそう付け足したら、またゆなちゃんが笑った。

「ばんびちゃん、面白い!」

うんうん、それでいい。私はお笑い担当ということで。

友達100人作れれば、それでいい。