夢見るゾンビ


死ぬほど恥ずかしい思いをしたけど、私のおかげか(?)、体験試合は和やかなムードで無事に終わった。

ゆなちゃんたちと一緒に用具の片づけをしていると、ランニングをしながら先輩たちが

「3番、バッター、ばんびくん」

「バッター、ばんびくん」

とからかって声をかけてくる。

や、やめてください・・・。

隣でゆなちゃんが、笑った。

「ばんびちゃん、もうすっかり人気者だね」

人気者というより、笑いものじゃん!

目立たず、3年間平凡な部活動生活を送れたらそれで良かったのに・・・。

自分が注目されている居心地の悪さから逃げるために、私は話題を逸らした。

「人気者は、ゆなちゃんだよ!先輩たち、すっごい見てたの気づかなかった?」