さぁ、二球目。
今度は、青木くんが力強くバットを振る。
その瞬間、小気味良い金属音が耳に飛び込んできた。
外野に目をやると、飛んでいったボールを先輩チームが追いかけている。青木くんは一塁に向けて走っていた。
早い！
青木くんは、そのしなやかな長い手足を存分に使って、美しいフォームで駆けていた。
すごい、一塁を越えて、二塁まで行って、最後は滑り込みセーフ！
「颯太くん、すごい！」
ゆなちゃんが、飛び上がって歓声を上げた。
うん、青木くんすごい！
泥で汚れた運動服まで、かっこよく見える。
いつの間にか先輩が隣で見ていた。
「うん、１年であれはすごい。彼はモテそうね、フフフ」
笑いながら、先輩が私を見る。
「ウグイス嬢、次は森永さんの番だよ？」
