私が、叫ぶ。 「友達100人で、富士山に登るぞー!」 冷たい空気が、喉にキンと染み渡る。 待ってろよ、富士山! 絶対に登って、みんなで一緒におにぎり食べるんだから! 「ばんび。あんたなら絶対、友達100人できるよ。でも、」 隣にいた詩織が、富士山を見つめたまま言った。 「・・・私のことも、ちゃんとカウントに入れておいてよね?」 私も富士山を見ていたから、詩織の表情は見えなかったけれど。 私には詩織が、泣いているのだと分かった。