そうやってじゃれたり笑ったりしながら、秋が終わり冬になった。

春から夏にかけての、あの嵐のような日々が嘘のように思えるくらい、毎日が平和だった。

こうやって、平凡だけど二度と来ない3年間が過ぎていくんだろう。

そう思っていた、矢先のことだった。

2月が終わり、あともう少しで春になる。

そんな時だった。

真夜中に、浩二おじちゃんから電話がかかってきた。

「ばんび!今から迎えに行くから、着替えて待ってろ」

浩二おじちゃんの声の調子で、私は何が起きたのかがすぐに分かった。

「お母さんが…危ない」