「あんたも一緒に行ってあげたら」
由奈が、私を見下ろす。
「あんた、ゾンビなんでしょ?ここから飛び降りたくらいじゃ、死なないよね」
冷ややかな笑いが漏れた。
「・・・」
二人でいじめられるようになって、ちょっと困ったことが一つある。
それは、聞き流せないことが増えたってことだ。
私に何か言われるのは我慢できるけど、ぶーちゃんが傷つくようなことを言われるのは、我慢できない。
頭に血が上ると、前向きスイッチは上手く機能してくれないのだ。
私は、ただ黙ったまま、ぶーちゃんが窓の外へ行ってしまわないようにその手を強く掴んでいた。
そのときだった。
「ちょっと」



