左手が由奈とつながったまま、私は考える。
これで、いじめは終わるんだ。
これからはまた、最初みたいに由奈と一緒に楽しくご飯が食べられる。
入学したての頃の、楽しくて浮き足立つような毎日を思い出した。
この高校、天国みたい!って思ってはしゃいでた。
あの頃に、また帰れる。
由奈の手の温もりが、嬉しかった。
この数ヶ月、私が欲しくてたまらなかった温もりだ。
空いている右手の先には、ぶーちゃんがいた。
ぶーちゃんは、弱い人だ。
私のことを嫌いになったわけじゃなかったけど、由奈の言いなりになって、結果私は針のような孤独を味わった。
ぶーちゃんも、いじめられるのが怖かったんだろう。
その気持ちは分かるけど、それで私の気持ちが癒されるわけでもない。
それに、今ぶーちゃんを選んだら?
また、いじめられる日々が続くのは、目に見えていた。



