「で、でもあれはみんなで決めたユニフォームだし、スローガンも入ってるから着てくれないと・・・」
「それならマジックで書いてきた」
竹内さんは自分の胸の辺りを指差した。
えと、何も書いてあるように見えませんが。
黒いTシャツに黒マジックで書いたら、そりゃ見えないよね?
学級委員長の小杉君が、恐る恐る竹内さんに近づく。
「竹内さん。クラスのカラーは黄色なので、作ったユニフォームを着てもらえませんか・・・」
「嫌」
「そこをなんとか・・・クラスの団結が・・・」
「白だっているじゃない」
竹内さんが、私をちらりと見た。
「私は黄色が嫌いなの」
結局、竹内さんが黄色いユニフォームに袖を通すことはなかった。



