一人目は、私。
もう一人は、今目の前にいる、門脇先生だ。
門脇先生は、隣のクラスの担任で英語の先生。黒ふちのメガネに、きれいなストレートの髪の毛をいつも後ろで一つに結んでいる。コンタクトにして、髪の毛をおろしたらすごいきれいだろうな。そう思っていた。
あぁ、びっくりした。門脇先生、残業お疲れ様です。
門脇先生と分かれば、私のほうは「あぁ、びっくりした」で終わりだ。
けれど、門脇先生のほうは、そうは行かなかった。
門脇先生は、私の悲鳴に釣られる形で悲鳴をあげ、それから私の顔を見てもう一度、
「キャー!!」
叫んで腰を抜かしてしまった。
あ、そうだった。今私、小梅太夫だった。
先生を安心させるために、笑顔で手を振ってみた。
「こんばんは~」
「ヒ、ヒェ~!!」
・・・まずい、ますます怖がってます門脇先生。



