夢見るゾンビ


5時間目の予鈴が鳴った。

次は美術だ。

美術室に移動だから、もう行かないと。

私は潜んでいた、トイレの個室の鍵をそっと開けようとした。

その途端、上から大量の水が降ってくる。

慌てて飛び出すと、目に涙を浮かべて笑い転げる女子たちがいた。

「どうしたの、そんなに濡れて!」

「水かぶってちょっとは綺麗になったかと思ったら・・・やっぱりキモイんですけど!」

「もうほんと、公害だよね。存在自体が」

「社会のために、死んじゃいなよ」

「てか、もう半分死んでるでしょ」

どっと笑いが起こる。

「だね!だってこいつの名前・・・」

お腹を押さえて笑い転げながら、口を揃えて言った。

「森永ゾンビだもんね!」