「え、まじ?」

「まじ。来たかったの。
でも、おっさんになるとなかなか誰も付き合ってくれないわけですよ。」





「ほぉ。え、あのー、
私そんなお金もってないんですが…。」



「社会人7年生なめんなよ、」



と、にかっと笑う。

「う、うん。」






わりとすぐに高速を降りたと思ったら、あっという間に、某有名海をメインにしたテーマパークのパーキングエリアへ。







あたしに、合わせてくれたの?


「っわー!!!!

やべ。めっちゃ久々だわ!」




その割にハイテンションな昴兄を見るのは久々で、自然とあたしも笑顔になる。

ほんとに来たかったのかな?




「笹、俺のテーマパーク好き知らないだろ!!?」


「うん、まさかそんなハイテンションになるとは予想外だよ。」

「ま、今日は任せろ!最高のテーマパーク案内してやるよ!!」



「あっはは、」




なんだこの昴兄。
でも、11年前に家を出て行ってから、丸一日一緒に遊んでもらうことはなくなって。

そう考えると、今日一日で、あたしの今まで知らなかった昴兄がたっくさん見れてしまうんじゃないか。って



ワクワクすると同時に寂しい気持ちになった。


昴兄は、あたしのこと全然わかってない!
って思うけど、
それはあたしも同じなんだ。


あたしは昴兄のこと、なんもわかってなかったんだ。





ただただ、お兄さんの昴兄を見ていただけ。

でも、こんなに距離が近くなっていいの?







この人は、こんど 結婚 をするのに。