ある日、掃除をしていると三成様に呼ばれた。
「この後客が来るから、来たらオレの部屋まで案内するように」
「はい」
そのお客さんは一刻ほど経った頃やって来た。
「虎ノ助だが」
と精悍な顔立ちの加藤清正様が自分の幼名を名乗った。
「福島だ」
いかにも猛々しい福島正則様は名字を名乗る。
「三成はいるか」
「はい。ご案内致します」
少し緊張しながら私は2人の前に立ち、早すぎもしなければ遅すぎでもないペースで三成様の部屋まで歩く。
「こちらでございます」
障子の前で膝をつき、
「三成様、加藤清正様と福島正則様がいらっしゃいました」
と呼びかけた。
「入れ」
端的な返事を聞いてからそっと障子を引いた。
2人が入ったのを見届けてから自分も入り、障子を閉めて部屋の隅に控える。
「わざわざご苦労であったな」
三成様がまず2人を労うと、すでにいた侍女が彼らに熱いお茶を出した。
史実ではこの2人とは仲が悪かったらしいのだが、こうやって見るとむしろ友達のような関係だ。
「単刀直入に言う」
清正様が真剣な表情で切り出した。
「お前、本当に徳川につく気はないのか?」
「この後客が来るから、来たらオレの部屋まで案内するように」
「はい」
そのお客さんは一刻ほど経った頃やって来た。
「虎ノ助だが」
と精悍な顔立ちの加藤清正様が自分の幼名を名乗った。
「福島だ」
いかにも猛々しい福島正則様は名字を名乗る。
「三成はいるか」
「はい。ご案内致します」
少し緊張しながら私は2人の前に立ち、早すぎもしなければ遅すぎでもないペースで三成様の部屋まで歩く。
「こちらでございます」
障子の前で膝をつき、
「三成様、加藤清正様と福島正則様がいらっしゃいました」
と呼びかけた。
「入れ」
端的な返事を聞いてからそっと障子を引いた。
2人が入ったのを見届けてから自分も入り、障子を閉めて部屋の隅に控える。
「わざわざご苦労であったな」
三成様がまず2人を労うと、すでにいた侍女が彼らに熱いお茶を出した。
史実ではこの2人とは仲が悪かったらしいのだが、こうやって見るとむしろ友達のような関係だ。
「単刀直入に言う」
清正様が真剣な表情で切り出した。
「お前、本当に徳川につく気はないのか?」