その日の夜、
あたしはアルバムの寄せ書きを開いた。

背表紙の裏に書かれた友達や後輩の楽しくなるよなメッセージ。

その中にあった、乱暴だけど綺麗な文字。

すぐに分かった。

あんたは、最後まで、最後の最後まで、本当にいい男だよ。

一文字ずつ追い掛けたいのに、涙で滲んでかすれてく。

あたしの水分は後から後から溢れてきて、拭ってもきりがない。

三年分の涙だからしょうがない。

あたしは大声を上げて泣いた。

大好きだったよ。
今も好きだよ。

『お前といて楽しかった。幸せな女になれよ!』

あんたの最後のメッセージ。

ありがと。

今はがんがん泣くけど、多分当分泣くだろうけど、いつか会えるその時には、いい女になるから。

だから、また。

いつか、桜の下で。



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