「いらっしゃいませ。」 この前と同じ、低く落ち着いたその声。 そこにはあの人がいた。 どくんっ‥ どくんっ‥ あぁ、やっぱりあたしは恋をしたらしい。 胸がうるさい。 この前と同じ席に座る。 この前と同じように、あの人がメニューを持ってきた。 「あたしはアイスティーで。実優は?」 「あ、あたしはカプチーノを。」 慌てて言ったのは、この前と同じカプチーノ。 「かしこまりました。」 あの人は、カウンターに戻って行った。