「お願いだ、早く僕と一緒に行こう」


今度は強引に、トロロはあたしの手を取った。


あたしはその手を無理に引きはがすことはせずに、トロロを真っ直ぐに見つめる。


「トロロ……あたし……行けないよ……」


「どうして……」


切なそうに見つめてくるトロロの手を、あたしはギュッと握った。







「あたし……トロロと知り合って、あたしは夢から逃げてただけで、なんの努力もしてなかったってことに気がついたよ」


「え……」


「なりたいモノがあっても、諦めたフリをしたり…それは親や学校の先生に注意されたせいだって、少なからず思ってた……」


「…………」


「努力しようとしてなかったのは、あたし自身だよね。

きっと、前のままでいたら、親の言うことに従って、結局親や周りのせいにして…そんなダメな自分になるとこだった。

大切なことは…いつも、自分で決断しなくちゃ。それを…トロロが、気づかせてくれた」





もし叶わない夢だとしても…その夢に向かって頑張ること…。


そういうことの大切さを、


トロロは教えてくれたよ。