「もう……いいかな」



……えっ?



暗闇の中から、聞いたことのある声がした。



これって……。



「トロロ!?」



「フフッ…さすがだね。ユナちゃんは…もう、僕の声を覚えてくれたんだ?」



「だってこの一週間ずっと一緒にいたんだよ?そのぐらい、覚えるってば。

ねえ、トロロ。ここってどこなの?あたし、どこに移動したんだろ……」






――カツッ、カツッ。


「ユナちゃん……もうすぐ目が慣れてくるはずだよ。ここが……どこなのか、もう少しすればわかるよ」



冷たく響く音と共に、



トロロの声が、少しずつ近づいてくる。



だけどあたしの目の前は、真っ暗なまま。