「ビアンファール!ワンちゃんを、ぬいぐるみにして!!」



高く掲げたタンバリンから、たくさんの光が放出される。


その眩しさに、あたしは思わず目を閉じた。









――コテッ。


床の上には、茶色くて毛のムクムクした子犬のぬいぐるみがひとつ。


……う……わ、


今さらだけど……


あたし、ホントに魔法が使えるようになったんだ!?


信じられない………。







茫然としてたけど、そんな場合じゃない。


早くリハーサルに行かなくちゃ!


あたしは転がってるぬいぐるみを抱きあげて、急いでスタジオへと向かった。