「あ、先生」
私は反射的に手紙を後ろ手に隠す。
「どうしたんだ?何かあったのか?」
「いえ、それより先生の方こそどうしたんです?」
「ちょっと忘れ物をな」
ふっと微笑するその顔には大人の魅力が上品に漂っていた。
ちょっとした微笑みすらこんなに魅力的だなんて。
ますます青山皐示という人間の虜になってしまう。
って、朝からなんてことを考えているんだか。
「なぁ、お前…」
「何でもないですよ、何でも」
「…」
怪訝そうな顔の先生だが、私はとっさにぎこちない作り笑いでごまかす。
「何でもないならいいんだが」
そうクールに言って先生は家の中に消えていった。
それを見届けてから私は小さく、曇ったため息をこぼす。
先生に嘘をついてしまった。
しかし、だからといって本当のことは言えない。
自責し、嘆く先生の顔が目に浮かんでしまうから。
先生が出かけてから、私だけでこっそり警察に話して解決してもらってしまおうかな。
そんなことを考えて先生の後を追って家の中に入っていった。
この時の私は知らなかった。
先生がこの時の私の態度を不審に思っていたことを。
そして、このことが疑惑を抱くきっかけとなってしまったことを…。
私は反射的に手紙を後ろ手に隠す。
「どうしたんだ?何かあったのか?」
「いえ、それより先生の方こそどうしたんです?」
「ちょっと忘れ物をな」
ふっと微笑するその顔には大人の魅力が上品に漂っていた。
ちょっとした微笑みすらこんなに魅力的だなんて。
ますます青山皐示という人間の虜になってしまう。
って、朝からなんてことを考えているんだか。
「なぁ、お前…」
「何でもないですよ、何でも」
「…」
怪訝そうな顔の先生だが、私はとっさにぎこちない作り笑いでごまかす。
「何でもないならいいんだが」
そうクールに言って先生は家の中に消えていった。
それを見届けてから私は小さく、曇ったため息をこぼす。
先生に嘘をついてしまった。
しかし、だからといって本当のことは言えない。
自責し、嘆く先生の顔が目に浮かんでしまうから。
先生が出かけてから、私だけでこっそり警察に話して解決してもらってしまおうかな。
そんなことを考えて先生の後を追って家の中に入っていった。
この時の私は知らなかった。
先生がこの時の私の態度を不審に思っていたことを。
そして、このことが疑惑を抱くきっかけとなってしまったことを…。



