それから――――


私の毎日は色を失ったようだった。



顔では笑っていても心は笑っていないような気がした。



リュウとは自然消滅のようになってしまった。


お互い、避けあっていた。



香織にはもちろん言った。


すると香織は……



「それ、全部本当なの?リュウって里美のこと本当に好きだったみたいだし…。」



そう言った。



「ちゃんと、リュウの話し全部聞いてあげた?」


なにも言えなくなった。


私、最後までリュウの話し聞いてない……


途中で逃げ出してきたから………


あの話しには続きがあった?


あれが真実じゃなかったの?


「もう1回、ちゃんと話してみたら?」


香織は「頑張れ」といって、帰っていった。



でも……



今更、そんなことできない……


リュウだって、ちゃんと最後まで話を聞かなかった私を怒っているだろう。



今更話しなんてできない――――



そんなことを考えて、教室の真ん中で立ち尽くしていると、

ふいに後ろから声がした。



「石川?今ちょっと話せる?」