机上で三つ指をしていた私は、担任の呆れたような声に顔を上げた。




「…先生ってなんでモテるんですかね」

「話をずらしてんじゃねえよ馬鹿野郎」

「え、いま生徒に向かって馬鹿野郎って言いませんでした?」

「聞き間違いだな。野崎大丈夫か?耳鼻科くらいだったら今から送ってやるぞ」

「先生、話戻してください」




はあ、溜息が聞こえた。私がしたわけじゃない。

「お前が話ずらしたんじゃねえか」眉間に皴を寄せた、目前の担任がしたものだ。




「…先生、歳いくつですか」

「26だけどなんだよ」

「…お若いですね」

「しかもお前の点数より数字が上だからな。本当に、お前なんだこの点数は。おいこら教師を馬鹿にしてんのか?馬鹿にしてんだろ」

「なんか肯定しちゃってるんですけど!」