「…あれ?なにこれ、超綺麗じゃん」




ぱかっと蓋を開く。おいおい、なんだこれは。

自分でもぎょっと目を見開いた。…これ、私のだよね?




「自分で作ったの?」

「信じられない、みたいな顔しないでよ。お父さんだよ、作ったの」

「ああ、あの人そんな器用だったの。…えらい可愛らしいな」

「有り難み感じるよりも気持ち悪さを感じるよ」

「そんなこと言っちゃ駄目でしょ」




開いた弁当箱の中身はすごかった。すごいなんてもんじゃない。

卵焼きめちゃくちゃ綺麗だし。焦げてないし。なんか人参が花形になっちゃってるし。

冷凍食品が入ってない。…あ、朝から全部作ったんかい。尊敬してしまうんだけど。