「幼稚園教諭ね。…母親がやってたんだろ」

「え」

「なんで知ってるんだって顔だな。…中学のときの情報は入ってくるんだよ」

「…」




そうだったんだ。

…じゃあ、ずっと前から知ってたのか。私がお母さんのことで揺らいでたことを、この人は知ってたんだ。




「やりたいことが見つかったなら良かったじゃねえか」

「…そうなんですかね」

「そうだろ。やりたいことが見つかったならそれに向けて努力すりゃいいんだよ」

「…努力ですか」

「何事にも努力あるのみだろ。お前は勉強しろ」

「ですよね」




最終地点はやっぱり勉強ですか。やっぱりそうなりますよね。

シャーペンをくるりくるり、指で回しながら苦笑い。


そこで、また担任が口を開いて私に言った。




「問題は藤崎だな」

「…」

「まあ、あいつも色々あるんだろうけど、進路希望が白紙じゃなあ」

「…」




白紙。


郁也ってなにがやりたいんだろう。なにに興味があるんだろう。

さすがに地球撲滅は冗談だろうし、…本当にやりたいものって、なんなんだろう。