郁也がガキとか。
だって地球滅亡させたい発言してたんだよ。あの人。




「先生、郁也はガキじゃないです」

「なにをそんな真顔になって言う必要があるんだよ」

「いや、だってあの郁也ですよ?進路希望が地球滅亡がどうのこうの言ってた郁也ですよ?」

「あいつの進路希望は白紙だったけどな」

「え?」




シャーペンを拾った私に担任は溜息混じりにそう言った。

放課後の静寂に包まれた教室は、いつもの賑やかな教室とは打って変わって寂しい印象があった。




「俺がお前に数学教えるって言い出したのは、すこし藤崎のことで話したいことがあったからなんだよ」

「…郁也が」

「揃いも揃ってお前ら進路が決まってねえってどういうことだよ」

「…」




担任の鋭い視線が自分に突き刺さる。確かに私は自分の進路は曖昧にしか考えてないけど、



……郁也、進路をまだ決めてないの?


そういえば、付き合って結構経つけど、

――――私、郁也の進路について聞いたことなんてない。




「白紙だったんですか」




ぽつりと小さく、担任に向けて言う。