溜息を漏らす。 そりゃ、今は就職口がただでさえ少ないけどさ。 確かに私みたいな能無しじゃ希望職業に就くのは困難だけどさ。 「野崎に幼稚園教諭は難しいよね」 「そこで郁也に入ってきて欲しくなかった。なんでそんなこと言うの」 「いや、事実」 「……」 じっと私を見ていた郁也は、ぽつりと話に割り込んできた。 二人して失礼なことを言う。…いいじゃないか、希望くらい持ったって。