「…これで佳奈の悩みが無くなるわけじゃないのはわかってるよ。俺も由奈も」
「…うん」
まだ悩んでる、けど、
「…軽くなった気はするよ」
でも、軽くなった気がする。
自分の息まで止めてしまうように強く巻き付くような悩みだったのに、
今はなんとなく、緩和したような気がして。息を思い切り吸い込むことも出来た。
「…お母さんって、毎日楽しそうだったよね」
「…そうだな」
「…仕事で休みがなくても、笑ってたよね」
「笑ってたな」
お母さんの笑顔を思い出すと、ずきりと痛む胸。
笑い声を思い出せば、まだ少し痛む耳。

