「そろそろ面談があるから、その時にでも一人一人には進路について聞いていきたいと思う。はっきりしていなくても良いが、ある程度は考えを話してくれ」
「……」
「以上。…事故に遭わないように、気をつけて帰れよ」
そこで、丁度よくホームルームの終わりを告げる鐘が鳴った。
***
「…進路?」
「…うん」
小さく頷いた。家に帰るとお父さんがいて、すこし驚いた。
お父さんがこの時間帯に家にいるなんて珍しい。いつもならもうすこし遅いんだけどな。
…いや別に中学生にもなって「寂しい」なんて思わないけどさ。
「…私、なんにも考えてないんだよね」

