「…」 「それは違う。お母さんの不安だったことは本人からちゃんと聞いたんだよ。…その日に、お母さんは事故に遭った」 「、」 「だから怜香が気にすることじゃない」 「、でもあたしが言わなければ、もっと早く不安は取り除けてたかもしれない。事故に遭った交差点にも、行かなかったかもしれない」 「…、」 怜香の顔に、悲しみの色がぽたりと零れ落ちる。 さっきよりも歪んだ彼女の瞳。…こんなにも、自分自身を責めて涙を流してるんだ。 「…怜香、そんなに自分を責めないでよ」