「…」
ぱくり、と一口大に切ったチーズケーキを口に運ぶ。
じわじわと口の中を侵食する甘さ。かちゃんと静かにフォークを皿の上に置いた。
「…お母さん、目の下に隈出来てる。それって夢の所為?」
「…え?」
「ここ」
すっと自分の指先で、とんとんとお母さんの隈の出来たところと同じところを叩いた。
そうすれば、お母さんは困ったように、ふにゃりと笑った。
「…そんなに、わかりやすく出来てた?」
わかりやすい、なんてもんじゃないよ。隠してるつもりだったのかは知らないけど、見れば一目瞭然。
こくりと言葉は発することなく頷いた。

