どんよりと重たくなった空気がなんだか嫌だ。重くて息苦しい。

それを切り裂けないものかと水の入ったコップを口元に再び運ぼうとしたときだった。



――――どんよりとした空気を切り裂くように、かたん、音と共に置かれたチーズケーキとウエイトレスの声。




「お待たせしました。チーズケーキになります」




にこりと浮かべられた笑顔。

運んできてくれたチーズケーキから視線を上げてぺこりと頭を下げると、伝票を置いてからウエイトレスは歩き出した。




「…食べながら、話そうか」

「…」




かちゃん、フォークの音とお母さんの声が耳に届いた。