「…ううん」




返事をしながら、ばさりと自分の愚考を切り裂いた。

それに気付く筈もないお母さんは、ばたんと音をたてて乗り込んだ車のドアを閉めた。

それを合図に、自分も静かに助手席の乗り込む。夕焼けが、嫌なくらいに目に染みた。だから目を細めてみた。




***


「楽しかったか?」

「え?」




帰宅して、着ていた服から部屋着に着替えてリビングに降りた。

「…なにが?」思わず聞き返す。ソファーに体を預けた私に、お父さんが問い掛けてきたのだ。


疑問符を浮かべる私に、テーブルで頬杖をつきながら、再び口をついたお父さん。




「幼稚園の仕事だよ、仕事。楽しかったか?」