「佳奈ちゃん、由奈ちゃん。もう帰ってもらって大丈夫だから。気をつけてね」
「はい」
それから世間話を始めた二人を一瞥してから、駐車場で待っていようと静かに職員室を後にした。
一人、中庭をぶらぶらと歩く。
ブランコ、鉄棒、砂場、滑り台、…まだまだある遊具は、幼稚園の中では園児の宝物なんだと思った。
私が小さいときの記憶なんて本当に曖昧だけど、やっぱりこういう遊具は好きだったと思う。
自分の指先が、なんとなく暖かい。昨日、今日とここで園児と遊んだ。
手を繋いだ指先は、やはり暖かい。自然と口角が上がりそうになる。

