「…楽しかったです」
楽しかった。
園児と遊ぶのも、話すのも、手を繋ぐのも。
「楽しかったなら良かった。嫌なだけの二日間にならなかったなら、良かった」
「…あの、ありがとうございました」
「こちらこそ。すごく助かったから。本当にありがとうね、佳奈ちゃん」
目線を合わせれば、そう私に言ってくれた園長先生。
なんとなく、ぼんやりと思えたんだ。
――――――案外【幼稚園の先生】も、良いのかもしれないな、って。
まだ見えない進路。
真っ暗なこの先の道に、
新しい可能性が、見えた気がしたんだ。
それに気付けたのは、この幼稚園に来たからだと思う。
感謝しなくちゃいけないのは、きっと私の方だ。

