言われて、なんて答えたら良いのか戸惑う。


【進路】その二文字が、ずしりと、重く自分にのしかかる。

聞きたくなかった単語はするりと耳に届いた。




「こんなこと言われても困るだけかな。佳奈ちゃんは、もう進路は決めてる?」




申し訳なさそうに眉を八の字にしてから、そう言った。

進路は決まってない。決めてない。

ぽつりと、曖昧に濁すことなく返した。




「…まだ、…です」

「あ、そうなの。幼稚園教諭っていうのも、案外悪くないと思うんだけど…佳奈ちゃんはどうだったかな。今回の仕事は、自分なりに楽しめた?」




園長先生が私に問い掛ける。

目線を窓に滑らせる。
すぐに視界に入る中庭には、園児が使う遊具が点々としている。


…素直な気持ちは、言葉になって喉からこぼれ落ちた。