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「お疲れ様。昨日今日、大変だったでしょ?」
「え、いや、そんなことないですよ」
仕事の手伝いが、終わった。
園児は皆、あの明るい色をしたバスに乗って行って、幼稚園はまた静けさに包み込まれていた。
園長先生に渡された飲み物をこくりこくりと飲みながら、そう返事した。
「中学生には重労働だったよね。本当に助かったよ」
「私なんかで良かったなら…」
「佳奈ちゃんだから良かったんだよ。ありがとうね」
「…こちらこそ、…お世話になりました」
頭を下げる。
園長先生はまた笑った。綺麗な笑顔、だな。
私はそんな笑顔つくれない。だからすこし、羨ましい。
「どうかな」
「え?」
なにが?
聞き返す暇もつくらず、園長先生が言った。
「すこしは、佳奈ちゃんの【進路】の、良い材料になったかな?」
「…え」

