それに、慣れないことだらけで戸惑いの色が隠せない私に、細かい部分まで教えてくれたのも田宮さんだった。




「よし。じゃ由奈先生、佳奈ちゃん。行きましょうか。そろそろ園児が来る頃ですよね」

「あ、本当だ。バスもう出てますよね」

「さっき出たみたいですね。今日一日、頑張りましょうね」




お母さんと私に笑いかける田宮さん。私もそれに軽く笑い返す。

そっか。さっきまでバスは動いてなかったけど、…そんなに時間が経ってたのか。



壁にかけられた時計をちらりと見上げる。

掃除を始める合図を園長先生にされてから、結構時間が経ってた。…ピアノ、聴いてたからかな。