「じゃあお先に、上がらせてもらいますね。…佳奈、帰ろう」

「あ、うん」




お母さんに呼ばれて、持ってきた自分のバッグを引っつかんだ。

園長先生に「お世話様です」頭を下げてから、お母さんに続いて職員室から足を踏み出した。




「ごめんね、いきなり。疲れたでしょ」

「まあ、そりゃね。でも楽しかったよ」

「…なら良かった」




お母さんが微笑む。
大変なんだな。ああいう場面なんて普段は見ないから、新鮮だった。

発見したその部分。大変なんだなあ。それ以外言葉が出てこないや。




「…疲れる?」

「え?」

「仕事」




中庭の門をくぐり抜けて駐車場まで歩いた。

車まで歩く途中、エプロンも外して髪も解いていたお母さんに、そう聞いた。