私の髪の束からするりと手を離して、私の身につけたエプロンの裾を握っていたその子。

こくりと私が頷けば。

「えっとねえ」私のエプロンから指先を離して、ぱっと開いた手の平。




「由奈先生、やさしいんだよ。あとね、うさぎの絵がすごく上手なんだ」

「…そうなんだ」

「あとね、亜美の髪の毛いつも縛ってくれるんだよ」




ひとつ、ふたつ。お母さんの好きな部分を指を折りながら話してくれた。




「ねえねえ、お姉さんは由奈先生のこと好き?」

「え?」




次に私に聞いてきたのは亜美という女の子ではなく、別の子だった。

振り返れば、「好きじゃない?」また問い掛けが降ってきた。