何気なく、そう問い掛ける。また腰かけた椅子から、はみ出した足をぶらぶらと空中で踊らせる。




「高校」

「え、意外。大学とか仕事先かと思ってた」




ぶらぶらと揺すっていた足をとめて、お母さんを見上げる。

へえ、初耳だ。
興味が湧いた。一気に、話に食いつく。




「じゃあ高校からずっと一緒なの?」

「ええ?なんでそんな食いつくの?別に面白い話でもないでしょ」




お母さんが苦笑った。
そんなことない。私は面白いんだって。

目線でそう訴えれば、お母さんは「大学は別」折れたのか、困ったように笑いながら私に言った。

それを復唱する。




「大学は別だったんだ」