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「佳奈!佳奈!」
「ど、どうしたのお母さん」
「見てよこれ!切っちゃった!」
「えええええ!?お母さん何したの!?血だらっだらじゃん!」
「血だらっだら!」
「今それ言った!」
私の部屋にノックなしで駆け込んできたお母さんは、
ずいっと私の顔の目前に自身の人差し指を突き出した。
その指先は、切ったらしく赤色が、鮮やか…を通り越して流れている。
「なにしたの!」
「ド、ドリアンをね、切ろうとしたんだけどね?見事に躱(かわ)されて、サクッと…」
「お母さんなんでドリアンなんて買ってきたの」

